「そうか……ジョージにはわしから諦めるよう断りを入れておく。だからレーヴちゃんは、しっかりその男のことを見極めるのじゃぞ」

「うん、わかった。ありがとう、おじいちゃん」

「なに、礼を言われるほどのことでもない。それよりレーヴちゃん、相手の男の名前は何という?」

「デュークです」

「そうか、デュークか」

 しみじみとつぶやくジョシュアの隣で、アーニャが「あらぁ」と笑う。

「すてきな名前ねぇ。そうだ、今度ここへ連れていらっしゃいな。私、会ってみたいわ」

「そうじゃ、わしも見たいぞ」

「えぇ⁉︎ えっと、それじゃあ、彼に了承を得てからね?」

 デュークが来たらどうしようかという相談を始めた二人に、レーヴは仕方がないなと苦笑しながら、ちょっと嬉しさも感じていた。

 レーヴが大事に思っている二人に、デュークを紹介する。こそばゆい気持ちと誇らしい気持ちが入り混じり、レーヴはごまかすように「デュークが良いって言ったらですからね⁈」と叫んだ。

「何はともあれ、とにかくデュークに会わないと始まらないわね」

 茶菓子の相談を始めた二人ににんじんフレーバーをオススメしつつ、レーヴは次の休みに魔獣保護団体の本部へ行こうと心に決めた。