デュークのことは、最初こそ面倒だと思ったが、彼と接し、彼を知り、最近は少しずつ気持ちが傾いていっているのを感じている。

 だからジョシュアがそんな風に気落ちする必要なんて、ないのだ。レーヴとしては、もう強要されて仕方なくやっているわけではないのだから。

「ジョシュア、よく見てくださいな。レーヴは嫌だと思っていないようですよ? そうよねぇ。だって相手は美形なのだもの。しかも、相当な覚悟でレーヴに恋をしているようじゃない。そんな人がレーヴに無体を働くはずがないわ。だからね? 応援してあげましょうよ」

 アーニャの言葉に、ジョシュアの涙の浮かぶ目がレーヴをとらえる。
 彼女の言う通り、レーヴはちっとも悲観している様子はなかった。それどころか、ついさきほどはその男のことを絶賛していたのである。

 レーヴがジョージと結婚し、正式に孫娘になる日を指折り数えて待っていたが、仕方ない。
 なにより大事なのは、レーヴの気持ちである。

 そう思ったジョシュアは、厳つい顔に泣き笑いのような表情を浮かべて言った。