SONG~君に届くまで~

「ねえ。」



母が来た次の日から、僕は歌い出した。



誰も聴いてくれなくても、立ち止まってくれなくても。



だから、あいつが止まってくれて、話しかけてくれたこと、本当にうれしかった。



「ねえってば!!」



「え?」



「さっきから呼んでるのに。ねえ、自分のオリジナルとかないの?」




「ああ、昨日作ったけど、まだこんな所で歌う勇気は・・・。」




「歌ってよ、俺、君の歌聴きたいな。」



屈託のない笑顔だった。



人を和ます笑顔ー。