時給三00円の死神

整った顔は、澄みきった水面を思わせる。


そのうえいつも笑顔の天真爛漫な性格ゆえに、とにかく皆の評判がいい。

クラスの中心で常に友達を笑わせており、今風のファッションやスカートの短さも含めて男子から大人気というのが彼女に対する印象だ。


長いまつげに彩られた眼差しが宝石のごとく俺を貫く。

グリーン系の香りが心臓をくすぐる。

学校帰りにそのまま来たのだろうか。

制服の袖口からちらりと覗く白い体に、ほんの少し高揚を感じたのは嘘じゃない、が。


先に言っておこう。


そんな感情は一瞬にして霧散するのだ。


「早速説明するね。

私は(死神)と呼ばれる組織で仕事してるの。

君も働きたいって聞いたから、説明するよ

う言われて来たんだ。

まず私たちの仕事なんだけど、未練を残し

たままこの世に残り続ける(死者)をあの世

に送ってあげるのが目的なの。

それに伴い人々を(幸せ)で満たし、さらに

は世界を、果ては世界を、(幸せ)にするこ

とを理念としてるのだよ。

(幸せ)こそ人類の生きる希望!(幸せ)こそ

尊い希望の光!

それを体現するのが私たちのー」


などなど。


その後も「幸せがどうの」
「幸福がこうの」というすさまじく心に響かない幸せトーク