「うん。変えたんだ」

アイビーは、そう言って微笑む。そして、一冊の魔導書を手に持った。

「僕は冬都たちが元の世界に帰った後、魔力が微かに残ってることに気が付いて……ずっと魔法を使えるように練習してた」

そして、アイビーはじっと僕を見つめる。

「……冬都。聞いて欲しい……前に倒したテオが、復活したんだ」

「……復活したって、どういう……」

「テオに操られてる人物がいるみたいで、その人物がテオを復活させたみたい……見てよ。今のエデンの姿を……」

そう言って、アイビーは窓の外に目を移した。窓から外を見てみると、色んな建物は破壊されていて前のような賑やかさは無かった。

「……酷い……でも、何でアイビーはエデンにいるの?」

僕は、窓からアイビーに目を移す。

「館が壊されたんだ……仕方なく、僕が両親に捨てられる前まで住んでた家にいるんだけど……」

アイビーはそう言いながら、不安そうな顔で僕を見た。

「……ねぇ……僕らで、黒幕を倒すことは出来ないの?」

僕の言葉に、アイビーは静かに首を横に振る。

「……無理です……彼女は、力が強すぎる……」

「そんな……じゃあ、どうしたら……」

僕の言葉に、アイビーは「今から、冬都には過去に行ってもらう」と僕を見つめた。