「それは、知ってるけど……詳しくは教えてくれなかったよ」

輝一の言葉に、僕は過去に来る前のアイビーの言葉を思い出してそう答えた。

「……アイビー曰く、あの魔法はエデンにある城の地下深くで封印されてたんだけど、アイビーがエデンの王様と話をして、一時的に封印を解いてもらったんだって」

「すごいね……そういえば、僕らってソラの中から出てきた妖魔を倒したら未来に戻ってきたけど……」

「……あの頃の私は、まだ妖魔の力を借りないと、何も出来なかったからね。妖魔が中にいなければ、ただの人間だから」

「そっか……」

あれ?そういえば、今日って何日だ……?

僕は、ふと壁にかかってる日めくりカレンダーに目を移す。

「……明日じゃん!」

僕は、日付を見て驚いてしまった。

「どうしたの……?」

紫月の声が聞こえきて、僕は皆に目を移す。

「明日までには、イラストを完成させないといけないんだ。ごめん……僕は、そろそろ帰るね」

僕は、皆に微笑んだ。



「……背景、どうしよう……」

いつも、僕は背景に悩んでしまうんだよね……人物のポーズとかは、すぐに思い付くのに。

「……」

依頼者に背景の要望があるかどうか聞いたら、お任せで、って返されたんだよね。