「……冬都、たくさん話したいことはあると思うが……今は、あの妖魔を倒すのが優先だ」

「分かってる……」

僕らは、それぞれ武器を構えた。最初に、輝一が攻撃魔法を放つ。

攻撃魔法が当たって、妖魔は怯む。そこへ楓が妖魔の懐に入って、妖魔を斬り付けた。その衝撃で、妖魔は地面に倒れる。

僕は、凛兄と顔を見合わせると同時に頷く。

そして、同時に空に飛び上がるとそれぞれ刃に炎を纏わせて起き上がった妖魔を斬り付けた。

妖魔は、空気に溶け込むように消えてく。それを見つめた後、僕は皆の方を向いた。

「……そういえば、アイビーは?」

僕が問いかけると、凛兄は「魔法を維持するために、未来にいる」と答える。

「……そっか……」

僕が久しぶり、と言おうとした時、僕の視界が揺らぐ。そして、僕の目の前は真っ暗になった。



目を覚ますと、僕は見覚えのある部屋の床に横になっていた。

僕が体を起こすと、なぜか僕の近くで横になっていた皆も体を起こす。

「……何が起こったんだ?」

輝一が首を傾げた時、ドアが開いてアイビーが顔を出した。アイビーの後ろには、水色髪の女の子が……って、ソラ!?

「……目が覚めた?皆、急にこの部屋に現れたからびっくりした……大丈夫?」