「……絶対にさせない」

僕は、刀を作り出すと構える。

『面白い……俺を倒してみな。倒せたら、こいつは助かる』

そう言って、妖魔は僕に攻撃を仕掛けた。妖魔の攻撃が速くて、僕は攻撃を防ぐことしか出来ない。

「……」

……どうしよう……このままじゃ、僕は負けてしまう……。

その時だった。何かがぶつかって、妖魔はよろめく。

「……冬くん。大丈夫……?」

声がした方を向くと、紫月が僕を見て微笑んでいた。

紫月は紫月だけど、片目を隠してた前髪は切られてるから……もしかして、未来から来た紫月……?

「久しぶりだな。冬都」

木の陰から、皆が姿を見せる。

「輝一、大智、凛兄、楓、紫月……」

「アイビーが皆をフォルトゥナに召喚してくれて、皆がそろってから冬都のいる過去へと来たんだ」

「でも、ややこしくならない?今、この時間には、同じ名前の人物がいるわけだし……」

「まぁ過去の俺らがこの場にいないから、大丈夫なんじゃない?普通に名前を呼んでも」

大智の言葉に、輝一はそう返した。

「……そうだね。過去の私たちが来たとしても、『過去の楓』という風に呼んだら良いと思うし」

楓の言葉に、大智は「それもそうか」と頷く。