ずっと家にいる生活が続いてもう何日目になるだろう。
同棲している彼の仕事も私の仕事もテレワークになったため、私たちは24時間一緒にいる。
こんなこと、きっとこれから先ないねなんて言ってら始まったころ光成は微笑んでいた。
なんともプラス思考で、彼らしい発言だったからよく覚えてる。

テレワークがないことを唯一の手がかりとして、かろうじて今日が土曜日だということに起きてすぐ気づくことが出来た。
朝10時を示す時計。
隣を見たら、いつも早起きの彼が夢の中にいた。

「…ふふ」

彼の寝顔があまりにも可愛くて、綺麗すぎて、そして愛おしすぎて、思わず笑い声が漏れてしまった。
いつか何かのドラマで、寝顔を愛せる人と結婚しなさいってセリフがあったっけ。
私は…きっと彼なら大丈夫だと確信した。

『…んん』

何かを探す手。
試しに私の手を近づけると、見つけたと言わんばかりにぎゅっと握られ、彼の方に引き寄せられる。
私は抱き枕状態に、、、
これは幸せだけど、起きれなくなってしまうのが少し難点だ。

「こうせー」
『ん…、芽衣、』
「おはよ」
『おはよ、久々に悪夢見た笑』
「え、どんな夢?」
『芽衣が、俺の事忘れちゃう夢』
「記憶喪失になっちゃうの?」
『違う、俺の事だけを忘れちゃうの』

夢でよかったと言って、また私を抱き寄せる。
私はあなたを忘れることなんて出来ないのに。

「だからさっき、光成の抱き枕にされたのかな」
『え、俺そんな事した?』
「動けなくって、朝ごはん作りそびれた」
『ふふ、ごめんごめん。一緒に作ろ?』
「そうだね」