もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「友達に…なったの」

天沢は不穏な話だと思っていたのか、ふっと全身の力を抜く。

よかった、と言わんばかりに。


以前の私だったらこんな報告は絶対にしなかった。

それにもししたとしても、こんな反応をされていたら「演技はやめて、それとも同情してるの?」と言いかねなかったと思う。

でも天沢と過ごした時間を経て、私は彼が簡単に嘘を吐ける人ではないことを知った。

だから今は、天沢が私のことを心から心配してくれていたことがわかり、春の朝日のように温かい気持ちに包まれている。



今なら、言える。

大丈夫。

私は変われる。



「…ありがとう」



ずっと言えなかった言葉は、気づいたら私の喉から飛び出していた。

天沢だから、かな。

天沢は優しいから。

だから、私もほんの少しだけ…素直になれるのかも。


私がほっと息を吐く暇もなく、天沢は幼い子供のようにきょとんと目を丸くした。

天沢のことだから、いつもの王子スマイルでさらりと受け流すと思っていたので、予想外の反応だ。

「な、何?私もお礼くらい、言えるよ」

思わず心にないことを言ってしまう。

嘘は吐きたくないのに、羞恥心が勝って捻くれた自分が出てきてしまうのだ。

場を収めるための嘘は、どう頑張っても言えないのに。

「いや…お礼なんて言ってもらって良いのかな、と思って…。
僕、何の力にもなれてないのに」

申し訳なさそうに前髪で顔を隠す天沢に、驚愕する。

さっきまで優しく髪を撫でていた風が、私たちの間を切り裂いたように感じた。

え、いやいや何言ってるの?

「天沢があの時声をかけてくれなかったら、私は今ここに居ないんだけれど…。今頃あの世だよ?」

「で、でも…」

「あーもうっ」

天沢が悲しげに瞳を曇らせるので、私はそれを阻止しようと大きな声を出す。

天沢は慣れていないのか、びくりと肩を揺らした。

え、いや…怖がられても困るんですけど…。