もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

私が暗い表情をしていたことに気付いたのか、気付いていないのかよくわからないが、天沢は嬉しそうに明るい声音で話し始めた。

私は取り敢えず、いつもの席に腰掛ける。

「本当に同じクラスになれるなんて…教室に水瀬さんの姿を見つけた時、思わず声を出しそうになちゃった」

「えぇ…?流石天沢は神様に好かれてるね」

天沢が恥ずかしいことをさらりと言うので、軽い気持ちで受け流す。

すると、いつもはすぐに返事をしてくれる天沢が動きを止めた。

予想外の返事に驚いているようだ。

…あれ、なんか変なこと言った?

「え、何?」

私が声をかけると、天沢ははっと顔を上げてこちらに意識を向けてくれる。

「あ、いや…水瀬さんは、神様って信じる?」

力を失った小さな声に、今度は私が返事に迷う。

神様って…軽い気持ちで言っただけなんだけど、逆鱗に触れた?

「いや、信じてはいないけれど…居るなら私は嫌われてるなって思って。そしたら、正反対の天沢は好かれてるんだろうなって」

褒めたつもりだったのだが、天沢は顔を微かに俯かせてそっか、と呟いた。

なんか、いつもと違う…。

どこか上の空な気がして、私は明るく言葉を続ける。

「でも、神様が一人一人見てるわけないよね。世界に何億人って人間がいるのに。どうせ運命なんて気まぐれでしょ」

わざとあっけらかんとした雰囲気で、唐突に椅子から立った。

なんだか色々気まずくて、一刻も早く空気を変えたい。

だからかな。

いつもは絶対に言わないことを言ってしまった。

「外行かない?桜、見に行きたい」

「え…?」

天沢は今日二度目の驚嘆の表情。

まあ、驚くのも当たり前だと思う。

いつもは他人に見られたくないだの、人を信じられないだの言ってる私が、自ら外に出ることを申し出たのだから。

普通の人なら、意味わかんない、行くわけない、と怒るところだが…

天沢は絶対に了承する。

「何かをしたい」と言えば彼は優しいので、必ず「いいよ」と言ってくれるから。

それが天沢だ。

「だってここは学校からものすごく遠いし、田舎といえば田舎だし?
それに…もしも誰かに見られても、天沢が誤魔化してくれるでしょ?」

「…うん。いいよ、行こうか」