もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

あんたといる時間は疲れる。

言えないこと、たくさんあって。

理解できないことも、尋ねられなくて。

めんどくさいよ。


でも、でもさ。

天沢が優しさに満ちているから。

本当は迷惑なんて、思ってないんだよ。




「それなのに、秘密まで軽々と口にしたりはしないよ。僕のことなんか信じられないと思うけれど…。

うーん、そうだよね。それじゃ意味ないか。どうしたら良いかな…」

「…ねえ、、どうして?…どうして、そんなに…」


──優しくしてくれるの?


言えない。言えないけれど…

でも、でもなんで。

あんたに得なんて一つもないのに。



私の思考を読み取ったのか、天沢は蕾が綻ぶように微笑んだ。


声が出せない。


君は綺麗だ。



「君に消えてほしくないから」

優しい、春の木漏れ日。

千晴という、彼の名前に相応しい声で綴られた言葉は、いつだって特別なものに聞こえる。

狡い、狡いよ。


心地良いって…思っちゃうじゃん。


「だから水瀬さんがして欲しいことはなるべくする。

納得…いかないかな、やっぱり」

今にも崩れ落ちてしまいそうな脆い笑顔で、彼は切なく首を傾げた。

その笑みに心が強く揺さぶられるのがわかる。


もう、何もかも疲れた。



私が俯いて口を一向に開かないでいると、彼は口元付近に左手を近づけて考え込んでしまう。

やはりその仕草も様になっている。

悩ませてしまっているのは私だということまで、すっかり忘れてしまうほどに。


今の私はあやふやで、何もかも揺れてばかりだけれど…。

一つだけ。

確かに脳裏に焼き付いて消えないもの。


どう足掻いても…眩しすぎる、整いすぎた顔だけは忘れられそうにない。


でも、別に好みじゃないし。

ドキドキする瞬間、1秒もない。


私にはそんなお気楽な感情、ないもん。

でもなぁ…なんか、ねぇ。