もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「まさか。ここはいつもは倉庫…、、とは違うかな、えっと、そう、作業場に使われてる」

「…常連客なの?」

お店の空き室の使われ方まで知っているなんて、相当通っているとしか思えない。

さらに、そこを使わせてもらえるなんて店長とかなりの仲なのではないだろうか。

医者の祖父の影響とか?

色々な疑問が頭をよぎる。



そんな私の感情を悟ったわけではないだろうが、彼はあまり気乗りしない表情で微かに頷いた。

「まあ、そんな感じ…かな」


…何でそんな困った表情をするの。

僕の祖父は医者なんだ、だから人との関わりが広くて本当に尊敬してる、って自信満々に言えば良いのに。

そんな顔されると、何を言えば良いかわからなくなるじゃない。




言葉を濁す天沢に不快感よりは疑問を感じたが、問いただしたところで何も得られないので部屋の観察を再開する。


奥の壁には廊下への扉であろう、お洒落なドアがあった。

そこにも鍵がかけられるようで、どれだけこの部屋が大切に扱われているのかが伝わってくる。


窓も子綺麗なもので、外からは寂しい冬の木の枝が覗いていた。

美しい窓から見えるせいか、そんな当たり前の景色さえ輝いて見える。


ソファには見た目だけで柔らかさがわかる、高級そうなクッション。

テーブルには真っ赤な薔薇の刺繍が映えているテーブルクロスが敷かれていた。

椅子のデザインさえ目を惹く物で、だんだん見るのに疲れてくる。

「水瀬さん、座ろうか。好きなところに良いよ」

天沢は私が椅子を見ていたのに気づいたのか、同じように椅子とソファに視線を向ける。

なんだか指図されてるみたいで、捻くれ者の私は素直になれないけれど…

座ろうかと言われて、嫌だと答えるわけにはいかない。

私は言われるがままに、一番近くに置いてある椅子に腰掛けた。

天沢も、テーブルを挟んで私の真正面に座る。

「何か飲みたかったり食べたかったら言ってね」

天沢はテーブルの端に置いてあるメニュー表を手で示して微笑む。

でも、勿論私はのんびりお茶会をするためにここに来たのではないので、早速話を切り出すことにした。