もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

しばらく沈黙のまま歩いていると、天沢が足を止めた。

大分間隔を空けて着いて行っていたので、待たれるような形になる。

「ここだよ。時間は大丈夫そう?」

「心配するような家族はいないから」

素っ気なく返事をしてから、お店へと視線を向ける。

明らかに新しい、シンプルな白と優しいパステルカラーの外装からは、最近開店されたことがわかった。

綺麗で清潔感溢れるお店は、なかなか良いセンスだと思う。


うん、お店自体は問題ないんだけれど…、、


「…ここ、裏口じゃない?」

「うん、そうだよ」

看板も入り口もなく、あるのは寂しげな壁と小さな植木鉢、鍵がかかっているアンティークなドア。

殺風景というわけではないが、入口はどう考えても反対側だと思う。

「どうして?」

いくら考えても天沢の意図はわからない自信があるので、素直に質問した。

天沢は色素の薄い髪を揺らしながら、首を微かに傾げる。


「表からも勿論入れるんだけれど…それじゃもしも知り合いが居た時に困るかなって。
許可はとってるから、このまま個室に向かっても良い?」

「…別に何でも良いけど」

天沢は私が納得したのを確認すると、鞄から鍵を取り出して鍵穴に吸い込ませた。

動きが滑らかで、ただ鍵を開けているだけなのに絵になる。


気が遣えて、優しくて、綺麗で、頭が良くて、運動神経抜群で…。

私、何でこんな奴と一緒にいるんだろう。