もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「ねえ、水瀬さんは好きなものとかある?」

静かな足音と共に、天沢の声が耳に届く。

私は心の不満を吐き出すかのように、怪訝な態度で言葉を並べた。

「ない。ていうか、あっても言わない」

「そっか。じゃあ、甘いものは嫌い?」

天沢は少しだけ身体の向きを変えながら、私の様子を確かめようにして歩き続ける。

私は出来るだけ不快な感情を露わにしていたのだが、睨むのもそろそろ疲れてきたので、ため息と共に答えを吐いた。

まあ、どんなに怪訝な態度をとっても天沢には効果がなさそうだから、無意味?


「別に、嫌いじゃないけど」

「それなら良かった。
もしも好きなものを見つけたら、気が向いたときに教えてくれると嬉しいな」

何が「良かった」なのかはさっぱりわからないが、あんな風に傷ついた顔をされるよりはニコニコと笑みを浮かべられている方がよっぽどいいので、特に言葉は返さなかった。


だが、心の中はいつだって不満と疑問の嵐。



好きなものを探って、この世への未練でも引き出すつもりなんだろうか。

安易な考えすぎて、ため息しか出てこない。


本当に我が校の主席で万年一位なの?

それも嘘?


いや…それは、ないか。

だって、毎回廊下に順位は貼ってあるし…。




ていうか、全く関係ないけれど天沢って背小さくない?

滅茶苦茶細いし…。

女の私より圧倒的に小柄。


でも、何でも出来るんだっけ。

ていうことは、チビなのに運動神経抜群なの?

わぁ、腹立つ…。