もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

持ち前の目つきの悪さで、そいつらを睨みつけてやろうかと思ったその時。

天沢が私から視線をずらして、一瞬…ほんの一瞬だけ、そいつらを見た。

「ねえっ、こっち見たよっっ!マジイケメンなんだけどっ!」

「やばいっ心臓バクバクっ!」

一瞬で恋に落ちてる女子達に私は心底呆れていた。

所詮、顔だけ。

性格も癖も交友関係も何も知らないくせに、よく好きになんかなれるね。



でも、天沢は誰もが認める王子様だ。

どうせ全くの他人に対しても優しく微笑み返し、あいつらは歓声をあげる。

今度こそ恋の始まり、めでたしめでたしってことね。


だが、彼の表情は私の予想の正反対だった。

まるで今にも崩れ落ちてしまいそうなくらいに、悲しみに満ちた顔。

さらさらの前髪が、輝かしい瞳に影を落として切なさが増す。

「…天沢?」

思わず心配するような声色で、彼の名前を呼んでしまった。

天沢がどんな思いをしようが、私には関係ないのに。

どうでも、いいのに。



天沢は私の声に、俯いていた顔を上げて優しく微笑んだ。

「行こうか」

まるで、何事もなかったかのように。



…興味ないから良いけど。

どうしたんだろう、という疑問を無理やり隅に追いやって、私は歩き出した天沢の足跡をなぞるように歩みを進める。

彼の制服には皺ひとつなく、靴は真っ白に磨かれていて思わず視線をずらした。


さすが金持ちの子。


親からも溺愛されてるんだろう。


どこをとっても私とは真逆だ。