もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

場に似合わない、鼓膜を揺らす柔らかくて温和な声。


天沢には怒りや不愉快と言った感情がないのだろうか。

いつでも優しさや冷静さ、切なさに満ちていて…まるで穏やかな晴天の空のよう。


それが尚更、自分との違いを見せつけられているみたいでムカつく。

「…は?何度言えばわかるの?私にはそんな人いるわけ…」



──勝手に探って水瀬さんが望んでもいないことをして、本当にごめんなさいっ!



脳裏をよぎる小野さんの姿に、言葉を失う。

私が死んだら、小野さんは自分の責任だと勘違いするんじゃ…?

あんなに優しくしてくれてくれたにも関わらず、こっちは不快な態度をとってしまったのに…。

一生消えない傷まで与えてしまうの…?




「…狡い、、狡すぎる。

じゃあ、このまま生きとけって言うの?暗闇の中にずっと居ろって、そう言うの?」

あんたは光を浴びて、私を見下ろしているくせに。

嘲笑われながらも、裏切られながらも、生きる理由は何?



天沢は私の強張った顔を優しく見つめて、柔らかくて甘い笑みを浮かべた。

「光があれば、暗闇じゃなくなる。

辛いこと、苦しいこと、水瀬さんが味わってきた全て無駄じゃないって証明しよう。君にも必ず光となるものがある。

君の光を見つけよう。一緒に、探そう」

「…そういうところが嫌いなのっ!

わかる?私にはもうそんなことしてる余裕なんてないから。

あんたみたいに能天気には生きられない!」

もういっそ、今すぐ裏切って欲しいと思った。

『能天気なのはお前だろ』

『こんなに優しくしてやってんのに、最低すぎて反吐が出る』

『お前みたいな奴が一番嫌い』

何でも良かった。

私を、もう立ち上がれないくらいにぼろぼろに傷つけてくれれば。

小野さんのことを考える余裕もなくなるくらいに、私を痛めつけて欲しい。

そしたら、楽に死ねるから。



私に光なんて似合わない。

手を伸ばしてはいけない。

触れれば消えてしまうから。