もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「自分は裏切らない、とか抜かすんでしょ」

思わずムカついて彼の言葉を待たずに、いきりだってしまう。



あんたに助けられたわけじゃない。

だから、信じるわけないでしょ?

あんたは自分が命を救ったとか、そう思っているんだろうけれど。

私は死ぬ。

天沢は一時的な優越感に浸っていればいいじゃない。

諦めるつもりないから。



あの日と同じように、私は天沢に軽蔑の目線を送った。



何も知らないくせに、調子に乗って。

やっぱりお礼なんて、言わなくていいや。

だって、全部彼の自己満足なんだもん。

こっちは迷惑極まりないんだから。



冷たい風が天沢の、柔らかい透き通った細い糸のような髪をたなびかせた。

揺れる前髪の奥で、力を秘めた瞳が存在感を放っている。


「違うよ。良いんだ、信じてもらえなくて。

僕は君が生きていてくれるのなら、嫌われたって、疎まれたって、恨まれたって、何でも良い」

天沢の朗らかな笑みを見て、私の中で何かがプツリと切れるのがわかった。

握りしめた手が、ふるふると振動する。

「思ってもないこと言わないでくれるっ?何、同情してるわけ?自分と違って惨めだなぁって。

ま、そうだよね。天沢も優等生で人気者なんだから。

あんたが悲しむ理由なんかないし。嘘は良いからほっといてくれる?」

放り捨てた乱暴な言葉に、天沢は静かに首を振った。

笑みの名残さえないものの、落ち着いていて静かで切ない、なんとも言えない雰囲気が漂っている。

そのせいか彼の顔を直視したくないのに、何故か目が離せない。

「僕にとって水瀬さんは何度も言葉を交わしているし、友達…は失礼だけれど、知り合いだよ。

知り合いが命を落としたら、僕は悲しい」