もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

学校を出て、約五十分後。

電車に乗って、降りて…今は家の近くにいる。


冬の、身を削るほどの寒さに耐えて咲いている花。

先日の雨でできた水溜りに映る、快晴の空。

久しぶりの太陽に、浮かれて走る子供の姿。



私はそんな日常の景色を横目に、目的地へ急いでいた。




驚くほどにわかりやすい地図のおかげで、初見の道もすいすいと進むことができる。

だから…もうすぐ着く、けれど。



──なんて言えば良いのだろう。



彼はあの日、寒さを嫌がることもなく、ずっとぞばにいてくれた。

優しい。

温和。

気が利く。

綺麗。

なんでも出来るのに、それを偉そうに掲げることのない、本当の意味で完璧な人間。



それが彼の…天沢千晴の第一印象だった。

だけど、どうしても信じることだけはできない。

皆に好かれる人気者は、怖い。

小学生の頃に虐めてきたあの子も、全てを演じていた七菜香も、優等生で優しくて完璧と言わざるおえない人間だった。


天沢も同じ…いや、彼女らにも越えられないほどの、天才。


彼は眩しすぎる。


でも、だからと言って縋りたいという気持ちが全くないと言えば嘘になる。



彼は別れ際に、私がタオルを返そうとすると「風邪をひいたら大変だよ」と、私に持って帰るように言ってくれた。


柔和な声。

朗らかな笑み。

勇気をくれた言葉。