もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「お願いだから…死なせてよ…もう、辛い思いなんかしたくないの…」

長くて長くてまとまりのない話を、天沢は口一つ挟むことなく頷いて聞いてくれた。

その仕草に安心して涙がボロボロと溢れ出る。

「どうしてこんな思いをしないといけないの…?私が何をしたっていうの…?
どうして、どうしてよ…っ」

私は、腕に顔を埋めてひたすら泣いた。

古びた建物に嗚咽がこだまする。

今まで心のうちに秘めていた思いを全て吐き出すかのように、ただただ涙をこぼした。







「水瀬さん」

しばらくして涙が落ち着いて来た時、天沢は静かに私の名前を呼んだ。

恐る恐る顔を上げると、彼は胸を締め付けられるほどに切ない表情で私を見つめていた。

「頑張ったね。もう何も我慢しなくて良いよ」

天沢はゆっくりと私の手を握ってくれる。

その手はとても冷えているのに、温かくて。

せっかく治っていた涙が、また頬を伝うのがわかった。



単純だと思う。

こんな一言で、あの時の決心を忘れられるなんて。


でも、そのくらい今まで耐えてきた過去を誰かに認められることが嬉しくて。


彼の隣に居られるのなら、もう少しだけ生きても良いかな、と思えた。

裏切られたら、今度こそ死んじゃえば良い。





私は天沢の手をぎゅっと握り返した。