もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「私、止めて欲しいなんて言ってないんだけど。そろそろどこかに行ってくれない?
天沢みたいに光に包まれながら生きてきた人間に、私のことなんて何もわからないでしょ?」

流石に気分を害して、助けようとしてあげているのに、くらいは言われるかと思った。

だが、彼は私に聞こえるか聞こえないくらいの声量でぽつりと一言溢しただけだった。

「光…、、、?」

彼の困った様子に良心が痛む。

でも不快な気持ちが湧き上がってくるのも感じた。

あんたが光を知らないなら、誰が光の中にいるって言うの。


不安定に揺らぐ気持ちに自分自身が嫌になりながらも、先を促すために仕方なく口を開く。

「貴方みたいに、何でもそつなくこなせる人間にはわからないってこと!
もう良いでしょっ」

どうしても声が荒がってしまうのだが、天沢が私に怒る気配はない。

むしろすごく寂しそうな表情を浮かべた。



本当に思考が読めない。

私は天沢のこと、何一つわかんないよ。

それと同じように…貴方も私のことなんてわからないんだ。