もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「で、何の用?止めに来たようにも見えないし」

一刻も早くこの場を離れたくて、仕方なくこちらから質問をする。

天沢はふんわりと首を傾げて、どうして?と呟いた。

私は呆れ気味にため息を吐く。

本当に目の前のこの人が我が校の主席合格で学年一位なのか…。

「止める気があるなら腕を掴むぐらいするでしょ。そんなこともわからないの?」

「それは…他人に急に触られたら嫌かなって思って…」

申し訳なさそうに微かに俯く天沢。

睫毛が瞼に陰を落としていて不本意ながらも美少年だな、と思う。

言うこともまさに王子様。

まあ、私は素直な可愛い女子ではないから少しもトキメキはしないんだけれど。