もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

早く離れて欲しくて、思いっきり睨みつける。

目つきは元々悪い方だし、それなりの迫力はあったと思う。

でも、天沢はぱちりと不思議そうに瞬きを繰り返した後、心底嬉しそうに微笑んだ。

笑う意味がわからないものの、この世のものとは思えないほどの美しさに言葉を失う。

「やっと声が聞けた」

「は…?」

心の底から意味がわからない。

私の声を聴けたからって嬉しくなる理由なんてないのに。

でも、初めて私の声を聴いたってことは…


──さよなら、七菜香…ありがとう



あれは聴かれずに済んだってことか。

それだけはよかった。