もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

何かの間違いであることを願った。

だってよりによって…


同じ高校の、しかも誰もが尊敬する“王子様”に見られるなんて。


「僕は君と同じ高校の天沢千晴(あまさわ ちはる)。一年一組。君は隣のクラスの水瀬さんだよね」

ああ、神様は意地悪だ。

どうして私の一番嫌いな“全てに恵まれた人間”を?

首席合格で定期テストは万年一位。

容姿端麗、才色兼備、八方美人、文武両道の完璧な王子様。

しかも祖父が近くの大きな病院の医師。つまりお金持ち。

神様は天に二物を与えないと言うが、彼を見る限り誰もが絶対に嘘だと断言できる。

そのくらいに全てにおいて天才なのだ。


「話しかけてこないでっ、貴方には私のことなんか何もわからないでしょ!」