「天沢、ありがとう…っ、
あの日助けてくれて…、優しさを教えてくれて、幸せを感じさせてくれて、雨を好きになってくれて…。
ありがと…、生まれてきてくれて…。
全部、全部…ありがとう…っ」
幸せだ。
もう、幸せすぎて、涙が止まらないよ。
「私、生まれてきて良かった…っ」
水瀬雨音として、この世に生まれたことに。
何より天沢に会えたことに、感謝しよう。
神様なんて、大っ嫌いだった。
でも、今だけは信じても良いですか。
どうか、いつまでも彼と一緒にいられますように。
「君に…、、そう思ってもらえたのなら。僕も…生まれてきて良かった…」
もう一度、手を絡ませる。
そしてもう二度と、離れるものか。
頬を彼に寄せる。
君は、優しく私を抱き寄せた。
心地よい、優しげな心音が聴こえる。
君は、ここで生きているんだ。
雨は止まない。
でも、君となら。
どんなに暗い空の下でも、煌めく光を見つけてみせよう。
