もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「…毎日、何かに焦ってた。日々が過ぎるのを、ただただ待つだけなのに。

何にもなれない自分に、どんどん心が爛れていく。早く、一日が終わることを願っていた…」

「…うん」

辛いね、苦しいね、痛いね。

でも、頑張ったね。


涙を堪えて手に力を入れる。

私に泣く資格はない。

傷だらけの君が泣いていないのに。


「…でも、水瀬さんと出会ってから、君と会う日を待つようになった。幸せだった。時間が過ぎるのを恐れた。


僕は、幸せになり過ぎたんだ…、君に頼りたいと思った直後に、あんなことになって…。晴夏を苦しめるくらいなら、こんな命いらない、生きたくない…っ!」

悲痛な声が耳元で消える。

君はもう、限界だ。

雨が降る直前の、雲のよう。

雨が好きなら、君の空も潤わせてあげてよ。

「天沢、私を見て」

少しだけ、体を遠ざけた。

天沢の日の打ちどころのない、端麗な顔が視界に収まる。

ああ、綺麗だ。

こんなに泣きそうな顔をしていても、全てに疲れ切っていても。

それでも、尚。

君は綺麗だ。

「選んで良いよ。私とこの空の彼方へ逝くか、一緒にこれからの茨の道を歩むか。私は、天沢と一緒なら何でもいいから」

天沢が、望む未来を。

私も歩みたいと思うから。

「…それは、君を…誰かから奪うことになるよ。水瀬さんの両親や、妹さん、羽虹からだって…」

「私はそういうことなしで、どうしたいか教えて欲しいの。誰かを苦しめるから消えたい、じゃなくて。天沢が、どうしたいか」

「僕が…?」


変わらない。

たまに少しだけ幼い顔を見せるのも、きょとんと首を傾げるのも。

君は、正真正銘天沢千晴だ。




きっと、答えはすぐそこにある。