もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい




時間がもったいなくて、仕方がない。

雨がかなり強いし雲の動きでも見ようか、とスマホを開いた。

これからどんどん雨は強くなり、夜まで降り続けるらしい。

雷は今のところ大丈夫みたいで、ほっとした。




用事を終えて、スマホの電源を落とそうとした…、




そのとき、だった。





「…嘘、っでしょ…?」



画面に飛びつくように、“それ”を開く。


天沢からの、着信。




予想していなかったわけでは、ない。

何かしら連絡くらいあるはずって、何度も思っていた。




でも。


だからこそ、天沢からのこのメッセージが何を意味するのか、私にははっきりとわかる。


もう…時間がない。




震える手でメールを開くと、十分程の動画だった。



いつでも常備しているイヤホンを危なっかしい手つきで取り出して、スマホにセットする。

だが、耳にイヤホンを当てようとしたとき、私の動きは妨害された。


「次は──駅」


待ち侘びていた駅名に、はっと顔を上げる。

乗り過ごしては意味がない。



急いで降りようとして、傘を忘れそうになった。

焦りが、抑えきれない。




待って。


どうか、どうか、待ってください。




天沢、まだ行かないで。




イヤホンを耳に投げ入れて、音量を最大に上げる。

雨の音で聞こえるか不安だ。

でも、これを聞かないと彼には会えない。


全てが、これに詰め込まれているのなら。



覚悟を決める暇もなく、動画を再生する。


雨の音が邪魔で仕方がない。

一目散に駆け出してしまいたかったけれど、音を聞き取るために早歩きで妥協した。

傘で跳ねる雫の音が、うるさい。


しばらく、動画は無音だった。


このまま何もないんじゃないかと心配になるくらいに。


でも、気づいた。

雨の音がする。



彼は、外にいる。