もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

私は気づいたら彼女に向かって、一歩踏み出していた。

小野さんの目が丸くなるのと同時に、言葉を続ける。

「…本当に感謝してる。私はね、そういうの苦手なの。色々考えて、結局何もできない。それで後悔してばかり」

人生に後悔はつきものだ。

だけど何も出来ずに後悔するよりは、誰かのために何かをして後悔したほうが、ずっとずっと良い。

だから、私は君に会いに行く。

「そんな私を、小野さんは助けてくれたから。こんな風に私を思ってくれる人がいるなら、頑張ろうって思えた。

勇気をくれたの。小野さんのおかげで、今日私は一歩踏み出せた。

そして…小野さんからもらった勇気で、大切な人を助けたい。いいかな」

小野さんへの感謝と謝罪。

昔の私じゃ考えられなかった。

こんな当たり前のことも、できなかった。



でも、今は違う。

大丈夫、変われた。

天沢に対しても、ちゃんと…伝えられるはずだ。

「ありがとう。報われたーって感じ!勇気なんてじゃんじゃん使っちゃってください!頑張ってね、水瀬さん」

胸の前で両手を握り締める小野さんは、向日葵のような笑みを浮かべていて、輝かしかった。

そうだ。

小野さんは、一軍と絡んでいる女子、じゃなくて。

小野明梨っていう、一生懸命で行動力のある明るい、一人の女の子なんだ。



天沢も、そう。

何でもできる完璧な王子様で、皆の注目の的。


美しい容姿。

優しすぎる性格。

文武両道、才色兼備。



そんなのは、表面上の彼に過ぎない。


──…僕は、この顔だけには…僕にだけは、なりたくなかった…っ!



あれが本当の君なら。

今度こそ、受け止めるから。


会いたい。