もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい


体育館の外に出てもらい、人目のつかない木陰に入ると、勇気を出して頭を下げた。

いきなりのことに小野さんが驚いているのが手に取るようにわかるけれど、時間が惜しい今、配慮はできない。

「え、み…水瀬さん?ど、どーしたの?」

「ごめんなさい」

くっきりと言葉が濁らないように発した声は、彼女の動きを止めた。

焦りはある。

でも、それよりも使命感のようなもののほうが強い。

後悔を残したくない。

彼を守りたい。


そのために、変わらなければならないから。


「七菜香のこと、教えてくれてありがとう。それなのに、私酷いこと言ったし…ありがとう、もごめん、も言えてなかったから。遅くなって、ごめんなさい」

ぽつりぽつりと、小さな雨粒が至るところに降り注いでいく。

「…水瀬さん、顔を上げて」

小野さんの柔らかい声に、自然と顔を上げてしまう。

少しだけ、怖かった。

今更何を、と言われても全然おかしくないから。

でも、その心配は杞憂で彼女はふんわりと嬉しそうに微笑んでいた。

「…そっかぁ、よかったー!私ね、よく言われるの。お節介って。

嫌われたら嫌だし、出来るだけ抑えてたんだけど…私、友達関係でちょっと上手くいかないことあって。

それで…水瀬さんのこと知った時、伝えなきゃって、何の根拠もなく思っちゃったもんだから…」

あはは、と小野さんが自嘲気味に笑う。

小さな笑い声は全く楽しくなさそうで、心が痛い。

「…そんなこと、ないよ。お節介とか、あるわけない」