もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい






ぴちゃぴちゃと足元で水が跳ねる。

足に水滴が飛んで冷たい。

でも水溜りを避ける余裕なんてあるわけないので、無視してひたすら歩く。



いつも通りに電車を降りて、何度も通った道に吸い込まれるみたいに足を進めて、早数分。




急げ、急げ、急げ。



手に握られた傘すら邪魔だけれど、空が分厚い雲で覆われているのを見ると、手放すわけにもいかない。



「十五分休憩!!」

「「はいっ!!」」


校門を通り過ぎて体育館に向かうと、キレの良い返事が聴こえてきた。

よし、と心の中でガッツポーズする。

タイミングバッチリだ。



体育館の中を覗くと、バドミントン部とバスケ部がネットでコートを分けて、練習しているところだった。

誰もが額に汗を浮かべ、生き生きとした表情を浮かべている部員達。

住んでいる世界が違う、という言葉が何より相応しいと思った。

だが今の私には熱気にあふれた体育館に足を入れるのを躊躇う暇もなく、さっさと彼女の元へ向かう。

彼女は丁度、タオルで汗を拭っているところだった。

しかも一人。

今日はとことん運が良い。

「小野さん、今…ちょっと良い?」

「え?水瀬さん?」

私の存在に気づいた小野さんは、元から大きい目を更に見開く。

何事?と周囲の視線が痛いけれど、もちろん気にしていられない。

「話したいことがあるの」