もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい


「私、正直になろうと思う。目を背けてた色々なものに、向き合えるように」

決心が伝わるように、空へと逸らされた安東くんの目を真っ直ぐに見つめる。

照明の光が降り注いでいるせいか、暗い空を映しているはずの瞳が明るく見えた。



天沢が、教えてくれた。

誰かと目が合わないのなら、まずは自分が瞳を見つめれば良い。

きっとその視線が思いやりに満ちたものなら、相手も目を合わせてくれるから。

あの日の、天沢と私のように。


「…もう、変われてるんじゃ?」

安東くんの透き通った淡い真柴色の瞳が、私を捉える。

「俺に本心話してくれてるし、さ。
それに…千晴のこと心配だったからここまで一緒に来てくれたんだから」

そっと微笑む安東くんは、春の穏やかな風に揺れる菜の花のように見えた。

ちゃんと視線も合って、こうやって私のことも認めてくれて…

嬉しくて仕方がないはずなのに。

どうして湧き上がってくるのは喜びじゃなくて、不安なんだろう。