もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「沈黙が苦にならない相手って、隣にいて居心地が良くて、凄く相性が良いって聞いたことある。そういう関係なんだな、二人って」

「…相性が良い、か」

「なんか納得いってない?」

安東くんの言葉を復唱すると、なんだかパズルのピースが綺麗にはまらないみたいな、歯痒い気持ちになった。

私にとって天沢の隣は居心地が良いし、気を許せる人だ。

でも、それはあくまで一方的なもの。

さっきも答えられなかったように、彼にとって私が何かはわからない。

「…うーん、しっくりこないのかも。私にとって天沢はそういう存在だけど、天沢にとって私って…そういうのじゃないと思うの」

「…なんで?」

安東くんが五つくらい若返った、幼い表情で首を傾げた。

無邪気な少年の瞳には嘘なんて一瞬で見抜かれてしまいそうで、正直に胸の内を晒す。

「私と天沢って、似つかないから。天沢は大人しくて、温和な感じでしょ?私、短気で怒りっぽいし。

私からしたら、相談事を優しく聞いてくれて、人をイライラさせない天沢の隣は居心地は良いけれど…大きい音とか苦手な天沢は、私が怒らないように気を遣ったり、そういうの…面倒なんじゃないかなって」

自分で言っていて、耳も心も…全てがズキズキと痛い。

天沢は、私が隣にいることを幸せ、と言ってくれた。

でも、正直なんでか全然わからない。

信じたいけれど、信じるための材料が何一つ足りないから、不安になる。