雨の日の夜は星も月光も一切見えなくて、酷く暗かった。 静かな部屋に、窓に叩きつける雨の音だけが響いていた。 ──助けて 言葉にならない声は、闇に吸い込まれて消えてしまう。 ──助けて それでも、少年は願った 大切な人を想って。 ただ強く、強く──