もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「じゃあ、そろそろ行くね。またね、天沢」

これ以上ここに居たら、きっと余計なことまで言ってしまう。

そんな思いの現れか、その場から逃げることを選んでしまった。


だって勝手なことばっかり言ってしまったけれど、私がどれだけ天沢に迷惑をかけてしまったことか。

突き飛ばしたり、罵声を浴びせたり、それはもう数え切れないほどの過ちを犯した。

まずまず、天沢の真っ青な顔を初めて見たのは私が彼を非難した時だ。

彼を眠れないほどに悩ませたくせに、今更「信じてる」とか…、私は何様?


「待って、水瀬さんっ…」

天沢がいつもより少しだけ幼い表情で、私の背中に手を伸ばす。

いかないで、と縋りながら。


その一言で、全てが弾けた。

後悔も、罪悪感も、謝意も。

ただそばにいたいと、そう思った。



「…ごめん、今は言えない。上手く言葉にできないんだ。でも、いつか…いつになるかわからないけれど、絶対言うから」

天沢の瞳を覆っていた何かが風に攫われて、一層と輝きが増す。

表情から不安や申し訳なさが消えたわけじゃない。



でも、とても綺麗だ。

見惚れていた。

今までだって、ずっと。ずっと。