もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい







天沢と同じクラスになって、初めてのことだった。


彼が次の日、学校に来ることはなかった。




「えー、風邪かな?」

「何のために学校来てると思ってるのー!」

「千晴くんいないと話になんないー!」

「は?マジかよ。千晴休み?」

「今日三組と試合じゃん、千晴なしで勝てるわけねーって」




天沢の名前が教室を飛び交う。



いつもは天沢がいる筈の席が空席なのを見て、私はやっと現状を理解した。

いくつもの不安の欠片が少しずつ繋がって、どんどん心を支配していく。



欠席することは、特別珍しいことなんかじゃない。

きっと風邪をひいただけだ。

数日後に彼はまた姿を表す。


大丈夫、何も心配することなんてない。



でも、どうして?

どうしてこんなに不安になってしまうの。





「雨音、千晴くんのこと何か知ってる?」

放心状態にある私の耳も、小さな囁きだけは拾ってくれた。

不安を表に出して仕舞えば、もう抑えられない気がして出来るだけ平常心を装う。

「ううん、特に何も。やっぱり風邪かな?」

「…そっか、そうだよね?」

羽虹は無理やり自分を納得させるかのように、強く頷く。

だけど…彼女の瞳が微かに揺らいでいるのを私は見逃さなかった。




でも…何かを聞くことはしなかった。

だって、きっと彼女も同じだ。

羽虹は私の気持ちの変化に鋭い。

それはここ最近一緒にいて、身に染みて感じていることだ。

彼女が私の仮面の下の顔を見据えていないなんてことはありえない。

羽虹は私が本当の気持ちを隠しているのを悟りながらも、それに気づかないふりをしてくれているんだ。



だから、私も何も言えない。