もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「ごめん、私…馬鹿だ…、最低すぎる…」

「どうして水瀬さんが謝るの?
晴夏は賢くて優しいから、一人が寂しいとか言ってくれないんだ。

でも、本当はすごく寂しいし、辛いし苦しいはずだから…。いつか、水瀬さんも会ってあげてね」

天沢の手がするりと私から離れる。

それと同時に、触れようとしていた心の距離まで初めて会った頃に戻ってしまったように感じた。

なんで笑うの。

辛いのに、苦しいのに、そう思っているからそうやって感情のない声で喋ってるのに、どうしてそんなに優しい表情をするの。

そんなの、私は求めてない。



でも、そんなこと言えない。

私は天沢に取り返しのつかないことをしてしまった。

苦しみを知ろうともせずに決めつけて責めた私には、何を言う権利もない。

「ごめん…」

「…っ」

罪悪感から、すぐに空間に消えてしまうくらいに小さな声量しか出せなかった。

きっと彼は困ったように笑って、何も言わない。

そう思っていたのに。

私の言葉を何とか拾った彼は、心から血を滲ませるように悲痛な表情で私を見た。

不憫で、憐れで、痛々しい表情に、激しい後悔に襲われる。

なんで…いや、そんな顔させたいわけじゃないのにっ!

「天沢、私…、違う、違うの。

弟さんのこと、可哀想って同情しているわけじゃなくて、私、天沢になんの苦労もしてないみたいに言ったでしょ?何も知らなかったのに…、、それで…」

「…僕、全然だめだね。本当に」

天沢ははらりと今にも崩れ落ちそうな儚い笑みで、悲しげに微笑んだ。

何かが間違ってる。

天沢、これ以上自分を傷つけないで。

もう、君の心はボロボロだよ。