もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「こんな時だけ、親面して…馬鹿みたい」

「あ、雨音ちゃん。これも一つの選択肢ってだけでね、別に…」

鋭利な言葉を吐いたって、足りない。

足りない。足りない。足りない。

「私なんて、生まれてこなければ良かったと思ってるのに、なんでそういうことするの」

「な、雨音ちゃん、恵梨はちゃんと雨音ちゃんのこと、愛して…」

今まで、十六年間の人生でずっとずっと保っていた何かが、その瞬間プツリと切れた。

「簡単に言わないでっ!」

喉が焼けているみたいにヒリヒリする。

祖母が言葉を無くして佇むのを見て、目頭がカッと熱くなった。

──なんで、私…人を傷つけたいわけじゃないのに。

好かれたくて、認められたくて、でも急に態度をころりと変えられるのは不満。

意味わかんない。

私だって、祖母に、天沢に、変われたとか言って態度変えてるのに。

自分だけ棚に上げて…ほんと、馬鹿。

最悪だ。

「…外で人と会う約束、してるから。今日中には戻る」

「待っ、雨音ちゃん!」

祖母が駆けつけてくるのを見て見ぬふりして靴に足を通すと、私は外へ飛び出した。

後ろでバタン、とドアが閉まる音がする。

その瞬間、どばっと涙が溢れ出した。

馬鹿だ、私。

何もかも…ダメダメだ。