もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「な、七菜香の何がわかるのっ」

思わず苛立ちを露わにしてしまった声。

私はすぐに冷静さを取り戻して、自分自身を責めた。

何をやっているんだろう。

根拠のない発言に騙されて感情的になって。

嫌われただろうか。

少しの不安。

それを感じたのは一瞬だった。



私には七菜香がいる。

他の誰に嫌われようが、どうでも良い。

というか、その方が良い。

七菜香の悪口を言うような人と、仲良くするわけにはいかない。


もう呆れてどこかへいくだろうと思って顔を上げると、彼女は哀れみの視線を向けていた。

まるで、捨てられた子犬を可哀想とだけ言ってその場を離れていくような…。

あるいはその時だけ餌をあげて期待させておきながらもう二度と来ない、そんな無責任さ。

馬鹿馬鹿しい。

自分が優しくありたいからそうするだけでしょ?

自分に自惚れたいから。

貴方がどうするかは勝手だけれど、それに私を…七菜香を巻き込まないでっ!