もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「天沢」

感動で言葉が出てこない。

なんとか天沢の名前だけでも呼ぶと、彼は私の心の内を察したかのように頷く。

「僕、バイトをしてるんだ」

「…え?」

意味不明な発言に、私は間抜けヅラを晒す。

天沢はぽかんと口を開いたまま静止している私を、椅子へと導いた。

「特に何かをしているわけじゃないんだけれど、お店の小道具を作ったりしてる。だから今日もここにいたんだ」

「え…」

私はもう一度頭上に視線を送る。

真っ暗な闇の中を切り裂く、輝かしい星たち。

「え、こ、これ作ったの?」

「うん、そうだよ」

天沢はなんでもないことのように、さらりと踵を返す。

やはり開いた口は塞がりそうにない。

私は記憶の糸を辿って、質問を重ねた。

「え、じゃあ、まさか…、テーブルクロスの刺繍とかも天沢がしてるの?え、壁の絵も描いたの?」

「?うん、そうだけど…、、それくらいしかすることがないから」

天沢は絶句する私に気づかないまま、電気のスイッチだと思われるものをポチリと押して星を闇に染めた。

そのまま部屋の電気もつける。

天井から吊り下げられている星以外は、全部いつも通りだった。

「やば…まじですか、、」

「えっとそんなに難しくないよ?この星はね、折り紙でくす玉を折って、それに沿って竹串で骨組みを作ってから、和紙で覆っただけだから」

天沢の器用さに頭は上がらないし、口も目も塞がらない。

天才肌、という言葉がしっくりくる。