もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「天沢は、心が綺麗なんだよ。私と羽虹のことを想ってそこまで悩んだり後悔したりしてるんだもん。まあ、天沢が優しいことくらい、出会った頃から知ってるけどさ!」

照れ臭いし、顔は赤いだろうけれど、そんなことはどうでも良かった。

彼の悲しみを和らげることができれば、それで十分だ。




彼はいつだって私を褒めてくれた。

名前のことだって、今ならわかる。

彼は嘘を吐かないし、適当なことだって言わない。

だから、本当にそう思って言ってくれたのだ。


嬉しい。

この名前も、少しだけ好きになれた。



なんであの時素直に受け止めなかったんだろう、と今更思う。



だから天沢が自信を持てないなら、自分を好きになってくれないのなら…

私が天沢に伝えよう。

天沢は本当に本当に優しくて、努力家で、人思いで、私の特別な人なんだよって。


「天沢なら信じられるかもって、今は思ってる」

透き通った色素の薄い瞳を真っ直ぐ見つめる。

彼の瞳がこんなに輝いて見えるのは、苦しみや悲しみに耐え抜いた心を移しているからなのだろう。


天沢はしばらく静止した後、頬を微かに綻ばせた。

触れれば割れてしまうシャボン玉のように儚く、美しく。



私はその全てに魅了されて、時が止まったようにただただ彼の顔を見つめていた。


しばらくしてはっと正気に戻る。

そして自分が言ったこと、全ての意味を理解して死にそうになった。

いくら天沢と離れないように必死になっていたとしても、これは恥ずかしすぎる…っ!

穴があったら入りたい、ていうのはこういう気持ちなんだと身に沁みて思い知った。