もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

そして、一年生の終わりにたまたま教室で千晴くんと二人きりになった時に、その決心を更に確かなものにするために彼に話した。

『千晴くん、私…この一年を後悔してるの。なりふり構わず人に好かれようとして…本当に惨めだよね。
私、変わろうと思う。ちゃんと、本当の自分でいるよ。
ごめんね、情けない姿ばっかり見せちゃって。幻滅した、よね』

彼は、私の薄汚れた心を包むかのような優しい瞳で私を見つめた。

『幻滅なんてしないよ。でも…そうだね、寂しさはあったかも。どんどん僕の知っている羽虹が膜を纏っていくみたいで…って僕の言えたことじゃないんだけど。

僕はさ、自分が心から好きだと思える自分になればいいと思うよ』

私は彼の言葉に胸を打たれた。

私は人に好かれる人間になりたかった。

千晴くんや颯希に心配をかけたくなかった。

それで、偽りの嘘だらけの自分を演じた。

でもそれは、間違いなく好きになれない醜い自分で。

私は何もわかっていなかった。

人に好かれようが、自分が好きになれなければそれは間違ったことなのに。

私を守るのは、私の嘘がわかるのは、私だけなのに。


変わろう。

やっぱり私は、このままじゃいられない。


『…ありがとう。私が好きになれる私になるために、頑張る。

まずはね、二組の子に声をかけてみようと思う。水瀬雨音さん…って知ってる?』

私の言葉に千晴くんは少しだけ目を大きくして、すぐに微笑みながら頷いた。

まるで奇跡に出会った瞬間のように、温かく感じた。

『水瀬さんはすごく良い人なんだ。きっと仲良くなれるよ。よろしくね』

『…うん!ありがと、千晴くん』