もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい



近くて遠いっていうのは、こういうことなんだと思った。


教室には何十人もの人間がいるのに、誰一人として私を見てはくれない。

私は完全に浮いた存在になってしまった。

何かを取られたり、叩かれたり、蹴られたりしたわけじゃない。

ただただ、陰口を言われ、無視されるだけ。

大丈夫、死ぬわけじゃない。

必死に自分に言い聞かせる毎日。


千晴くんと颯希が同じクラスじゃなかったことに初めて安堵した。

こんな惨めな姿を、見られたくはなかったから。


あんなに三人でいることを願っていたのに、流石の私も千晴くんと颯希に近づけなくなって何かと理由をつけて彼らを避けた。

一緒に帰ることも、言葉を交わすことも、目が合うことすらなくなって。

息苦しくてたまらない。


それでも。

私は千晴くんと颯希にまで嫌な思いをさせたくなかった。

きっと彼らにも好きな人ができて、仲良くなって、付き合う日が来る。

そうなったら、私みたいな幼馴染は邪魔でしかない。

私はただでさえ彼らの“いらない存在”なのに、“いなくなって欲しい存在”にはなりたくなかった。




しょうがない、今まで一緒にいられたことが奇跡だっただけ。

破れてしまいそうな心を、ひたすら縫い続けていた時。

あの時私と千晴くんとの関係を尋ねてきた女子が数人の仲間を連れて、私を壊しに来た。