もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい



「…え?」

私の脳は完全に動きを止めた。

羽虹はひたすら申し訳なさそうに顔を俯かせていて、どう見ても嘘とは思えない。

でも、簡単に理解することもできなかった。

想像もつかなかった“事実”だったから。


幼馴染…?

天沢と、羽虹が…?


「正確にはね、私と千晴くんと、あと一人」

「あと…一人?」

「雨音も知ってるんじゃないかな…、二年二組の安東颯希」

聞き覚えのある名前に思わず頷く。

天沢が心底嬉しそうに話していた、学年二位の人だ。



安東くんと、天沢。

…それなら納得がいくかもしれない。

天沢は心から、安東くんのことを慕っている様子だった。

天沢と安東くんが他人とはとても思えない。


幼馴染、という関係はピッタリと当てはまる気がする。




でも、一つだけしっくりこないことがあった。


「…天沢と安東くんが一緒にいるの、見たことないけど、、」

疑っているわけではないよ、と伝えるために今回こそは穏やかな声音を意識する。

羽虹は言い難いことなのか、言葉が見つからないのかわからないが、私を見つめることなく口を閉じてしまった。



幼馴染で仲も良い。

それなのに、一度も会話をしている場面を見たことがないのはあまりにも不自然だ。

何か理由があるはず…。


いや、、、


余計なことを考えるのはやめよう。

今は、彼女の言葉を待つだけだ。



しばらく風の音に耳を澄ませていると、覚悟を決めたように羽虹がパッと顔を上げた。

私は彼女の瞳だけを真っ直ぐに見つめる。

「…聞いてくれる?私と、千晴くんと、颯希のこと」

羽虹はもう、下を向かなかった。

瞳は太陽の光を詰め込んでいるかのように眩しくて、天沢を連想させる。


天沢とは二日間話していないだけ。

今までだって一週間に一度しか会わない仲だった。


それなのに、恋しいと思ってしまう。

彼のその瞳に、私を映して欲しい。


「うん、聞きたい。お願い、教えて」