もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい






なんの進歩もなく、ただただ時間が過ぎていく。

こんな日に限って、六時間目は体育だった。



女子は体育館でバスケ、男子は運動場でサッカー。

一時間目から五時間目までずっと天沢が視界に入る席にいたので、体育は好きじゃないものの今日に限っては都合が良かったかもしれない。

バスケはいくつかのチームに分かれるので、ずっと試合に出なくて良いし、そういう意味でも心身ともに楽。

私は羽虹とぎこちない会話を何度か交わしながら、上の空で試合を観戦していた。

「真白、男子にあと一試合したら体育館に集合と伝えてくれるか」

「あ、はいっ。わかりました」

先生に指名された羽虹は、突然のことに飛び上がるように返事をする。

でも、すぐに順応して外へ駆け出していった。

私に、また後でね、と言って。


羽虹の優しさが今は痛い。


彼女は、天沢のために私と一緒にいる。

天沢が好きだから、私に優しくしてくれる。


そう考えるだけで、全部がぐちゃぐちゃになってもう嫌だ。



「はぁ…」

重く沈んだため息を溢すと、隣に座っていたクラスメイトが私をチラリと見る。

私が悪いのはわかっているけれどその恐怖やら不快感やらに染まった視線が鬱陶しくて、その場を離れた。

とはいっても居場所なんてないので、水を飲むふりをして体育館を出る。


外の空気を吸うと、なんだか少しだけ心の傷が癒やされたような気分になった。

一時的な、安らぎ。

ぐんと伸びをして肺一杯に酸素を送る。

遠くを眺めると、男子がサッカーボールを追いかけているのが見えた。

「天沢…」

白い半袖の体操服に埋もれる、紺色のジャージ。

五月も終盤にかかっているというのに、上下ジャージを着ている人なんていない。

寒がりなんだろうか。

それとも肌が弱いのか。

そういえば制服も半袖姿を見たことがない。