もしも願いが叶うのならば、私は君の光になりたい

「水瀬さん」

全てが綺麗すぎる天沢の、これまた艶やかな声で呼ばれた名前。

いつものことなのに、なんだか照れ臭い。

学校だから、だろうか。

制服姿をあまり真正面から見ないから。


「僕、水瀬さんのこと呼び出してばかりだね…ありがとう、いつも来てくれて」

天沢は私が何かするたびに、どんな些細なことだとしても必ずお礼を言ってくれる。

でも、私がお礼を言ったのは一回だけ。

天沢がしてくれたことの方が、圧倒的に多いのに。

ていうか私、大したことしてないんだけれど…。

「それは別にいいけど…どうしたの?」

何の用?という言葉を頑張って飲み込み、出来るだけ優しい音色を目指す。

優しい音色というものがよくわからないので、話にならないけれど。



天沢は私の質問に答える代わりに細い手を通学鞄の中に沈めて、ノートを取り出した。

「これ、もらってくれる?」

彼は自然な仕草で私にノートを差し出す。

綺麗なブックカバーで包装されたノートを、私は唖然とした表情で見ていた。