「…天沢ってどんな風に勉強してるの?」
テストといえば、天沢はすごく頭が良いことを今更思い出した。
…あんまり、その優秀さは感じないけど。
せっかくなら参考にしようと、色々質問することにする。
「…え、僕?」
天沢は理解が追いついていない様子。
いやいや…ここには天沢と私しかいないでしょ…?
勉強関係の話はしたことがなかったので、なんだか新鮮といえば新鮮だが。
彼はどこまでも自尊感情がなさすぎる。
「天沢、万年一位じゃん…キープするのってすごいと思うよ。ていうか…え、頭良い自覚ないの?」
「うーん、だってひたすら暗記してるだけって言えばそうだし…いつ颯希(さつき)に越されてもおかしくないと思う…」
「さつき…?誰?」
暗記してるだけで一位なんて取れるかっ!
ていうか、ひたすら暗記も凡人にはできないんだよ!
努力と生まれ持った才能が素晴らしく優秀なんでしょっ、自信持てー!
…色々言いたいことはあるけれど、知らない名前が出てきたのでそこに重点を置くことにする。
ていうか…さつきって女の子?
はっっ!もしかして彼女!?
そ、それなら私と二人きりのこの状況は、尚更まずいのではっ!?
