泣いてる君に恋した世界で、



前ページのような退屈そうな日記よりちゃんと日記らしさを取り戻してきた文字数はほとんどその男子を想う内容になっていて読んでいて複雑だった。

俺かもしれないという期待とそうじゃなかった場合の不安とちょっとした嫉妬心が入り混じって。


“彼は高校生かな?”
“大人っぽく見えたけどあの顔立ちは私より年下?年上?”
“彼のこと気になってる”
“どこかでまた会えないかな”
“会いたいなぁ”

そんな真っ直ぐな言葉が日々の締めに綴られていた。


いつの間に新しい年を迎えたページで、日記が小説のようなペースで読んでしまっている自分に気付く。

処々薄い日があるけれど長い日は1ページあの男子について綴られているわけで。

読めば読むほど複雑通り越して無になっていく。

そうでもしないと何かが俺の中で暴れそうな気がしたから。