ああ、まただ。

一面に広がる闇を目の前にして、俺の足はすくんでいる。

底の見えない沼の淵に立っているような感覚。1歩、2歩、あとわずかにでも動かしてしまえば、俺は落ちてしまう。そして落ちてしまったらきっと、二度と戻ってこれないような気がする。

俺の目の前に広がる世界は一面黒塗りで、光を求めて視線を巡らせても、もがいても、見つけることはできない。

もう大丈夫だと思っていた。こんなにも萎縮してしまうような怖さに襲われることはないと油断していた。