「…ごめん…」

私は瑠翔に謝った。

瑠翔はそんな想いでいたんだ。

偽彼女を私に頼んだのは、私に他の男の子と関わってほしくなかったから…

前から私を好きだったってこと。

なら、瑠翔は私のこといつから好きなんだろ。

そんな想い抱いていたなんて……

私と両想いだったんだ、ほんとに。

「……いや、結愛が謝ることじゃ…」

瑠翔がそう言うと、私の家のドアから母が出てきた。

「声すると思ったら…あんたたち何してんの。買い物、終わった?」

 母はため息をしながら、私たちを見て言ってから家に入っていた。

 私はさっきの状況を見られていなかったか不安だけど…

 瑠翔は私をじっーと見ていた。

「な、なに」

 私はじっーと見てくる瑠翔に戸惑いながら聞いた。

「…なにしてんの、早く入りなさいよ」

 母はそう言ってから、家に入っていた。

 その隙に、瑠翔は…私に言う。

「さっき、言えなかったことがある。結愛、好きだよ」

 瑠翔は私に聞いたので、何?と私が聞くと私の左耳元で囁いてから、私の右手の甲を掴んでキスをしてきた。

「なっ……」

 私はすぐ瑠翔から手を離してから左耳をおさえた。

 目の前にいる瑠翔を見て、真っ赤な顔をした。

 いきなり…手の甲にキス?!

 え? 手の甲に?

「行くぞ、結愛」

平然とした表情で言って、瑠翔は私の家に入っていた。

なんなの、もう。前までは俺様だったのに。

私は後ろ姿の瑠翔を見ながら、もうと言ってため息をついたが、それは嬉しさと照れが入っていた。

今はなんというか、好き好きアピールが前より凄くなっていた。

瑠翔とほんとうに付き合うことになった。

私は初めてのお付き合いに戸惑いを感じていたが、楽しみが増えていた気がする。