なんだ、何かあったのだろうか。

私はゆっくりと瑠翔の元へ近づいた。

女子クラスメイト達は、ジロジロと私を見ていた。

瑠翔は、女子から圧倒的な支持がある。
いつも笑っていて、女子に対する扱い方がうまい。

瑠翔の人気は凄まじく、学校中の女子が瑠翔のことが好きらしい。

好きになるのは分かるが、顔、言動に惑わさないで、素の彼を見ていない気がする。

私は女子クラスメイト達から何かコソコソと言われながらも、瑠翔の元へ駆け寄る。

「なに?」

私は瑠翔に無表情で聞いた。

「おい、行くぞ」

瑠翔は私に声をかけて、私の左手首を掴んだ。

「はあ?何。ちょっと」

私は急に左手首を瑠翔に捕まられ、身動きが出来なく、後を追いかけるように動いていた。

どこまで連れてく気??

はあはあと息を切らしながら、私はまた瑠翔に聞く。

「だから、どこ行くの?」

私は大きい声で、瑠翔に言う。

「いいから、着いたら!!」

瑠翔は、私に聞こえるようにまっすぐ走りながら、返事をした。